HDRと鉄道撮影
上の写真はHDR合成を使った写真。
では、適正露出で撮って出しだとどうだろう。
見ての通り空は適正露出だが、機関車は真っ暗になってしまっている。
このように、肉眼ではもっと明るく見えていたはずなのにカメラで撮影すると暗かったりするようなことがある。
これは最も明るい場所と最も暗い場所の差(ダイナミックレンジ)が大きいことが原因である。
カメラが記録できるダイナミックレンジは人間の目よりもずっと狭い。
そのため明るい場所は白飛びするし、暗い場所は黒つぶれする。
より広いダイナミックレンジを持つ写真をHDR写真という。
明るさの違う写真を合成するHDR合成を行うことで、通常のカメラでもHDR写真を撮影することができる。
スマートフォンのカメラでは当たり前のようにHDR機能がついている。
HDR写真の撮り方
HDR写真を撮影するのにカメラは必要なのだが、ブラケット撮影機能があった方がいい。
E-M1にはHDRボタンからブラケット撮影ができるのでとても便利だ。
撮影する時には三脚でカメラを固定する。
ずれていると正しく合成できない。
Huginのalign_image_stack
コマンドを使うとずれを直せるけど導入の解説が面倒なので三脚を使って欲しい。
どの程度露出をずらすかは場合によるが、5枚で2EVずらした設定なら大抵満足できる出来にはなると思う。
JPEGではなくRAW撮りの方が記録できるダイナミックレンジが広いので、できればRAWで撮影しておきたい。
実際に撮るとこんな感じの写真になる。
マイナス補正した写真は空に露出が合っていて、プラス補正した写真は機関車と背景に露出が合っている。
HDR合成
HDR合成に使うソフトは「Photomatix Pro」とかいうクソ高いソフトが主流らしいが、予算の都合上使えるわけ無いだろいい加減にしろもっと簡単なソフトを使っている。
そのソフトはenfuseで、設定不要でアホでも使える上に無料でオープンソースなので使わない理由は無いと思う。
Enfuseのインストール
WindowsとMacはEnfuseGUIを使うのが最も早いので、それをインストールする。
UbuntuはWineでEnfuseGUIを動かすか、enfuseパッケージをインストールする。
1 |
apt install enfuse |
EnfuseGUIの使い方
- 起動する
- 画像ファイルをドラッグアンドドロップする
- Bracket Countを撮影した枚数に設定する
- Enfuse It!をクリックする
コンソール版enfuseの使い方
1 |
enfuse -o 出力ファイル名.tif 入力ファイル ... |
仕上げ
enfuseでHDR合成ができたので、さらに別ソフトで編集する。
そのままだとコントラストが低いので、トーンカーブなどを使って編集してJPEG画像を出力し完成。
普通の夜間の駅撮りの場合
最初の例は極端にダイナミックレンジが広い場合だったが、普通に夜間に駅で撮影する鉄道撮影でもHDR合成は有効である。
車体が暗かったり、背景を真っ白にしたくないなら使わない手は無い。