なぜ寝る間を惜しんでMastodonインスタンスを構築したのか

2018年12月6日 0 投稿者: khws4v1

この記事は分散SNS Advent Calendar 2018に投稿した記事です。
つまり他の記事も見ろということです。

お詫び

ブログを書こうと思ったら盛大に風邪をひいて、それどころではなくなりました。
十分な時間をかけて書くことはできませんでしたが、鼻水でキーボードが壊れる前に投稿することに成功しました。

Mastodon移住の理由

TwitterというSNSがおかしくなった

今年の夏頃です。
あまりの暑さからかTwitter運営の頭がおかしくなり、Twitterそのものがおかしくなりました。

  1. 理不尽な理由でBANされる
  2. UserStream APIが廃止される
  3. Twitter APIの制限が厳しくなる

1は日頃からツイートを削除するという運用をしていたのか僕には関係ありませんでした。
問題なのは2と3で、これらは僕がTwitterを離れるという決断をするには十分な改悪でした。

2のUserStream APIの廃止はサードパーティ製Twitterクライアントを使うユーザーにとっては致命的な変更でした。
現行のTwitter APIはホームタイムラインの更新は15分間に15回しか行うことができません1
この厳しい制限を回避するにはUserStream APIを使用するしかなく、多くのサードパーティ製Twitterクライアントが対応していました。
UserStream APIが廃止されている現在では、1回/1分というとても少ない頻度でしかホームタイムラインの更新が許されていません。
これは大抵のユーザーにとって少なすぎるでしょう。

3のTwitter APIの制限が厳しくなるというのは新規アプリケーションの登録方法の複雑化や、新しいAPIの呼び出し制限です。
詳しくはTwitterの公式ブログを読んでください。
致命的なのはAPI制限です。

各エンドポイントに対する新しいデフォルトの制限値は以下の通りです。これらのアクションに対する既存のユーザーレベルのレート制限に追加して適用となります。デフォルトで、アプリは(アプリ全利用者を含む)以下の通り制限されます。

– ツイートおよびリツイート(合算値): 3時間で300件

– いいね:24時間で1000件

– フォロー:24時間で1000件

– ダイレクトメッセージ:24時間で15,000件

この制限はアプリごとでカウントされます。
これはサードパーティ製の新規Twitterクライアントを排除する制限です。
妥当性が認められればこの制限は解除されるそうですが、不当なアカウント凍結に抗議してもろくに対応しないTwitter運営のさじ加減なんてたかが知れています。

スパム排除が目的のようですが、Twitterはあまりにも人が多くなりすぎたのだと思います。
肥大化したSNSに見切りをつけるにはいい機会でした。

Twitterをやっている地元の撮り鉄のコミュニティが汚染された

これは極めてローカルな内輪ネタに過ぎないので、無関係な人からすればどうでもいい話です。
しかし、Mastodon移住を決断させた大きな理由なので書いていこうと思います。

そもそも様々なジャンルがあるオタクという世界の中で最底辺に位置しているのが撮り鉄です。
テレビでアニメが悪く言われるとインターネット中の面倒なオタクが抗議のお気持ち表明を行いますが、撮り鉄が悪く言われてもそれは当然なものだと受け入れられます。

撮り鉄というコミュニティ全体がおかしいのかというとそうではありません。
日本全体を行動範囲にしているのはごく少数で、大抵の人はそれほど遠くまで遠征しません。
地域ごとにいくつかのコミュニティがあり、それぞれのコミュニティにそれぞれの価値観があります。
同じ地域で同じ場所で同じ目的で動いていても別々のコミュニティに属していることは多いです。

ここ最近僕の観測範囲で明らかにおかしな行動を多くみるようになりました。

  • 新規アカウント1を使った個人攻撃
  • 特定個人に対する盗撮、誹謗中傷行為
  • 5ch.net(旧2ch.net)で行われるストーカー行為と誹謗中傷行為
  • LINEグループのメンバーを全員退場させる嫌がらせ行為1
  • 鉄道部品を窃盗
  • 運転士にしつこく話しかける
  • 不正乗車

これらの行為は犯罪行為を含めて全国的に知られることはありませんでしたが、地域のコミュニティを汚染させるには十分でした。
自浄作用なんてありません。
誰が何しようと便乗するか何もしないかのどちらかです。
その上性質が悪いことに、本人にこれらの行為をやめさせようとしてどんなことを言おうと10秒経てば忘れてしまって何度でも繰り返します。
過去に捨てアカウントで個人攻撃するお子様に対して決定的な証拠と共に晒してやったこともありますが、僕を避けるようになっただけで依然としてやめるつもりはないようです。
問題行動を起こすのは全員未成年者でしたが、全員言葉は通じても意味が通じない人間ではない何かでした。

改善の見込みが無いので僕は荒れたコミュニティを去ることにしました。
まともな撮り鉄とはTwitter以外でも普通に会えますし、問題行動をする悪ガキたちもインターネットの外ではおとなしい子供です。
今では彼らがTwitterから出ていくことがなく、永久にTwitterに封印されていることを望んでいます。

インスタンス設立の理由

Mastodonはインスタンスを自分で立ち上げなくても参加することはできます。
適当なインスタンスにアカウントを作るだけです。
しかし他人が運営しているインスタンスにはいつ閉鎖するか分からないという問題点がありました。
大企業が運営しているインスタンスなら安心と思いますか?
残念ながら安心ではありません。
どんなに大きな企業でもサービスを停止することはありますし、停止しなくてもTwitterのように使い勝手を大幅に悪くするかもしれません。
わがままな自分を納得させるには自分自身でインスタンスを運営していかなければいけないということです。

インスタンス閉鎖を大きなリスクとして考えている理由は実際にMastodonインスタンスが閉鎖することは多いからです。
Mastodon日本語wikiおまかせインスタンスというリンクをクリックすればよくわかります。
これはwikiに載っているインスタンスのページをランダムで表示します。
何度か試すとすぐ分かりますが、wikiに載っているインスタンスの多くは閉鎖しています。
過去に起きたMastodonブームで大量発生したインスタンスが大量死しているわけです。

新しいインスタンスは同じように荒れた撮り鉄コミュニティを見限った人達の受け入れ先として機能させることも狙っていました。
また悪ガキがきても自分が管理者ならある程度は防御できるはずです。
インスタンスが立ち上がった当時は撮り鉄向けインスタンスは存在しないというのも大きいです。
Mastodonに慣れた頃、移住を検討させるために呼びかけをしてみましたが誰も来ませんでした。
全員が今の状態が非常に悪いことを理解しつつも甘んじて受け入れるそうです。
撮り鉄は常に古い車両を好むくらいに変化を嫌う生き物だということを完全に忘れていました。

自宅サーバーを使う理由

ところで僕がやっているMastodonインスタンスやこのブログは自宅サーバーやっています。
大企業が持つ大規模なデータセンターでインスタンス運営しても脱中央集権になっていないと考えているからです。

一見するとインスタンスは分散していて、脱中央集権化ができているように見えます。
しかし、多くは著名なサーバーホスティング事業者のサーバーで動いています。
つまり実体は中央集権的だと言えるでしょう。
もし大きなサーバーホスティング事業者が障害を起こすと多くのインスタンスが接続不能になり大きな騒ぎになるはずです。

サーバーは個人でも用意することができますから、僕は自分で用意することにしました。
脱中央集権をお考えのサーバー管理者はサーバーの実体も分散させてみてはいかがですか。

人が増えると事故が増える

あらゆるSNSは人が多くなるとルールが厳しくなっていきます。
これは人が多くなると事故が増えるからです。
事故を減らすにはルールを作り、秩序を維持しなければいけなくなります。

分散SNSは各サーバーがそれぞれのルールを設定できます。
fediverse全体のユーザー数が増えたとしても、小規模なサーバーなら人が少なかった頃の古き良きあのSNSの雰囲気でやっていけるはずです。
それぞれのサーバーは緩く繋がっています。
Mastodonではリモートフォローや連合タイムラインで繋がっていますね。
小規模なサーバーでも大きなネットワークに参加できるのです。

中央集権的な従来のSNSは必ず人が多くなりすぎて使い勝手が悪くなってしまいます。
tumblrも最近アダルトコンテンツを規制しましたね。
あれも人が多くなりすぎたせいでしょう。

まだ分散SNSの世界に入ってから半年も経ってないですが、従来型のSNSよりは僕にとってよりいい環境というのは確かです。
これからもそうあり続けることを願っています。

  1. 公式アプリは対象外です。